安全な海

北西太平洋津波情報センター

期間:2005年~,   機関:気象庁

1960 年に起きたチリ地震では、巨大地震による津波が太平洋を伝播し、遠く離れたハワイや日本で多くの犠牲者が出ました。当時津波の予警報に利する各国間の情報交換・共有がなかった反省から、1960年代の半ばから、ユネスコの政府間海洋学委員会(IOC)のもとで監視体制の整備が進みました。日本の気象庁は、北西太平洋津波情報センターの運営などを通して、国際的な津波監視に貢献しています。

「北西太平洋津波情報」提供までの流れ
出典:「国際的な津波監視体制」(気象庁、https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/joho/nwpta.html

陸海統合地震津波火山観測網(MOWLAS)

期間:2017年~,   機関:国立研究開発法人防災科学技術研究所(NIED)

(国研)防災科学技術研究所は、1995年の阪神・淡路大震災を契機に構築された陸域の地震観測網と2011年の東日本大震災を契機に海域に構築された観測網等を統合し、2017年11月より、陸海統合地震津波火山観測網(MOWLAS:Monitoring of Waves on Land and Seafloor:モウラス)として運用を開始しました。大規模かつ稠密な観測網から得られる高品質なデータは、優れた研究基盤として学術的な研究成果の創出に大きく貢献するとともに、地震活動のモニタリング、地震発生の長期評価、気象庁が発表する緊急地震速報、津波警報に使用されるほか、新幹線の制御など民間事業者とも連携するなどデータの社会実装も確実に進められています。MOWLASの観測データと近年のリアルタイムデータ処理技術の飛躍的発展により、現在進行中の震災の直接的な軽減が可能になりつつあります。

海統合地震津波火山観測網 (MOWLAS) の観測点分布。2100あまりの観測点から構成される。
出典:Aoi, S., et al., MOWLAS: NIED observation network for earthquake, tsunami and volcano. Earth, Planets, and Space, 72, 126 (2020). 参考:防災科学技術研究所 地震津波火山ネットワークセンター(https://www.mowlas.bosai.go.jp/