安全な海

大規模海溝型地震の発生メカニズム解明のための海底地殻変動観測

期間:2000年~,   機関:海上保安庁、東京大学

全球測位衛星システム(GNSS)と海中での音響測距技術を組み合わせた海底地殻変動観測により、プレート境界である日本海溝や南海トラフ沿いの海底に設置した海底基準点の精密な動きを測定し、巨大地震の発生メカニズムの解明等に貢献します。

南海トラフ付近でのひずみの蓄積モデル1)
紀伊水道沖におけるスロースリップの検出2)
出典:1) Yokota Y. et al., Seafloor geodetic constraints on interplate coupling of the Nankai Trough megathrust zone. Nature, 534, 374-377 (2016) doi:10.1038/nature17632
2) Yokota Y. and Ishikawa T., Shallow slow slip events along the Nankai Trough detected by GNSS-A. Science Advances, 6, 3 (2020)
doi:10.1126/sciadv.aay5786

海域で発生する地震及び火山活動に関する研究開発を通じた安全な海の実現

期間:2020年~,   機関:国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)

切迫する南海トラフ巨大地震に備え、地殻変動予測を高精度化し、地震発生の長期評価の改善などの成果・データを国等に提供することを通じて防災・減災に貢献します。プレート固着状態の現状評価と時間推移を把握するのに必要な観測データや地殻構造データを取得するため、以下を実施します。

  • 高精度な地殻変動のリアルタイム観測を広域かつ多数地点で実現するため、海底地震変動観測装置の海底展開を進めます。
  • 海底広域研究船「かいめい」の3次元地震探査システムを活用して得た、詳細な海底下構造データを用いた地震発生モデルの構築を進めるとともに、高度な計算手法の開発をします。

また、これまで困難だった海域火山の活動の現状と履歴を把握するために、観測システムの開発、構造調査、試料解析等を進めます。

海底地殻変動観測の展開計画
海底広域研究船「かいめい」 (JAMSTEC提供)
参考:JAMSTEC「海域地震火山部門」(http://www.jamstec.go.jp/rimg/j/