設立趣旨

国内委員会

日本国内委員会規約

2017 年12 月の国連総会において採択された「持続可能な開発のための国連海洋の科学の10 年(以下「国連海洋科学の10 年」という)」が2021年1月1日より開始された。2020 年12 月の国連総会海洋及び海洋法に関する包括決議において感謝とともに留意された国連海洋科学の10 年実施計画では、第104条において、国内のステークホルダーの参画、海洋科学に関する様々な情報へのアクセス強化等により、国連海洋科学の10 年に関する国レベルでの貢献を促すために、各国において国連海洋科学の10 年国内委員会を立ち上げることが推奨されている。日本においても、国連海洋科学の10 年に係る活動について、多様なステークホルダーの参画と産学官民連携の促進、ステークホルダー間のデータや知見の共有、各種行事等に関する情報共有、国連海洋科学の10年において取るべき方向性に関する関係者の合意形成等を図るため、日本国内における国連海洋科学の10年の推進及び連絡調整機能を担う協議体として本委員会を設立する。

研究会

2017 年 12 月の第 72 回国連総会において、2021 年~2030 年を「持続可能な開発のための国連海洋科学の 10 年」とすることが宣言された(以下,「国連海洋科学の 10 年」)。これは、ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)が、持続可能な開発目標(SDGs)のうち、SDG-14(海洋)や SDG-13(気候変動への対応)等の実現のためには、いまだ未知の部分が多く残されている海洋について特に力を注いで研究を推進することが不可欠であるとの認識に基づき、IOC 総会の議決を経て国連総会に提案したものである。

国連海洋科学の 10 年では、目標達成のために必要な観測網の整備や科学研究の推進がユネスコ IOC 等の主導のもとで進められることとなるが、それら観測や研究の成果を SDGs に結び付けるアウトプットの部分では海洋政策の視点が不可欠である。また、近年大きな課題になってきている国連気候変動枠組条約や生物多様性条約関連の課題、それに関連して国家管轄権外区域の生物多様性の保全と持続的な利用(BBNJ)に関する国連の政府間会議での海洋遺伝資源や海洋保護区をめぐる議論、さらには海洋プラスチック問題など、それぞれ自然科学的研究に基づく確かな科学的知見の充実が必要であると同時に、具体的な施策展開にあたっては、海洋政策に関する研究の寄与もまた不可欠である。加えて、科学技術イノベーションの観点からの解決策の提示も求められている。

海洋立国および科学技術立国を標榜する我が国において、このような海洋科学の推進は海洋政策の基盤となる重要課題であり、科学技術外交の側面からも日本のリーダーシップを示すことが期待されている。一方で、海洋科学分野における産官学民の連携は必ずしも十分ではなく、我が国の強みなどを総合的に分析した戦略策定が欠かせない。そこで、次の実施を目指して、日本海洋政策学会と(公財)笹川平和財団海洋政策研究所とが共同し、国連海洋科学の10年に関する研究会を開催するものとする。

  1. 海洋科学に関連した情報の共有を行う。
  2. 海洋立国・科学技術立国としての政策実現に向けて、海洋科学分野において日本に期待される役割や特徴、日本の強み・弱みなどについて議論を行う。
  3. 日本の主体的な取組みを促進し、科学技術外交の視点も交えて日本が示すべきリーダーシップを提案するため、取り組むべき課題や貢献策、戦略について検討を行う。
  4. シンポジウム等を通じた普及・啓発の支援など、幅広い議論やネットワーク構築に貢献する。