健全で回復力のある海

沿岸生態系の保全に向けた国際貢献

持続可能な社会の実現と社会変革のための沿岸海洋の評価(COAST Card)

期間:2020年4月1日~2024年3月31日
機関:[国内]東京工業大学、NPO法人海辺つくり研究会、東京海洋大学、国立研究開発法人水産研究・教育機構 他 [海外]米国メリーランド大学、フィリピン大学ディリマン校、インド科学産業研究評議会・国立海洋研究所、 ノルウェー・ベルゲン大学

本研究は、「レポートカード(RC)」「社会ネットワーク解析(SNA)」「システムダイナミクス・モデリング(SDM)」といった革新的なツールからなる統合システム「COAST Card」の開発・応用により、持続可能な「社会-沿岸生態系共存系」実現のための合理的な政策決定を可能とする超学際的なネットワークに基づく新たなフレームワークを構築することを目的とします。COAST Cardでは、対象とする地域のステークホルダーが、システムの各構成要素の開発過程に密接に関わるとともにシステム運用においても主体的な役割を演じる点を大きな特徴としています。そのため、一般ユーザーを想定したインターフェイス環境開発等も併せて行います。

フィリピン国統合的沿岸生態系保全・適応管理プロジェクト(CECAM)

期間:2009年6月1日~2015年2月28日
機関:[国内]東京工業大学、東京大学・大気海洋研究所、同・アジア生物資源環境研究センター、北海道大学、 八戸工業大学、高知大学、長崎大学、琉球大学、国立研究開発法人港湾空港技術研究所 [海外]フィリピン大学ディリマン校 他

生物多様性が豊かな東南アジア沿岸域では、人為的環境負荷や地球環境変動の影響が複合的に作用することによって、生態系の劣化が急速に進行しつつあります。本研究では、フィリピンを対象として、そこでの沿岸生態系の生物多様性維持機構を明らかにするとともに、環境ストレスの実態を包括的に評価し、多重ストレス下の生態系応答・回復過程や、ストレスをもたらす地域コミュニティの社会経済構造を分析します。そして、それらに基づいて、高い生物多様性と防災機能を安定的に維持し、かつ地域コミュニティの持続的発展を可能とするための新たな沿岸生態系保全管理スキームを構築・展開することを目的としました。

コーラル・トライアングル生態系における包括的評価と保全戦略(BlueCARES)

期間:2016年6月1日~2022年3月31日
機関:[国内]東京工業大学、東京大学・大気海洋研究所、北海道大学、名古屋大学、八戸工業大学、 国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所、国立研究開発法人国際農林水産業研究センター 他 [海外]フィリピン大学ディリマン校、インドネシア海洋水産省、バンドン工科大学 他

本研究は、世界的に見て生物多様性がきわめて高い「コーラル・トライアングル」と呼ばれる地域の中心に位置するフィリピンとインドネシアを対象に、沿岸生態系が蓄える炭素であるブルーカーボンに着目し、沿岸生態系の保全や回復力の強化によるブルーカーボンの増強や、ひいては地球環境改善にも貢献する「ブルーカーボン戦略」を、さまざまな調査やモデル開発・分析に基づいて策定・提言することを主な目的としています。