健全で回復力のある海

海洋環境細菌を対象としたマリンバイオテクノロジー

サンゴ組織内に生息する細菌がサンゴの健康に与える影響を解析する

期間:2012年~
機関:早稲田大学先進理工学研究科生命医科学専攻、琉球大学理学部、琉球大学熱帯生物圏研究センター、 沖縄科学技術大学院大学

サンゴ組織内では、褐虫藻と細菌が共生した「ホロビオント」と呼ばれる共生体が構築されており、サンゴの健康に大きな影響を与えていると考えられます。これまで、褐虫藻については多くの研究事例がありましたが、細菌の機能については研究が遅れていました。そこで我々は、沖縄県に生息するサンゴに共生する細菌に着目し、細菌がサンゴの健康に与える影響を、ゲノム情報をもとに解析しようとしています。

紅海に生息する海洋微生物のゲノム情報をシングルセルレベルで解析する

期間:2017年~
機関:早稲田大学先進理工学研究科生命医科学専攻、キング・アブドゥッラー科学技術大学(KAUST) 産総研・早大 生体システムビッグデータ解析オープンイノベーションラボラトリ
シングルセルゲノミクスのための技術開発

マイクロ流体デバイスを用いた微小液滴作製技術を応用し、環境細菌を対象としたシングルセルゲノム解析技術を開発しました。本技術の応用例として、2017年に採取した紅海の海水から細菌のシングルセルゲノム情報を大量に取得し、ウイルス様配列や生合成遺伝子クラスター(BGCs)の検出を1細胞レベルで実現可能であることを実証しました。

参考:早稲田大学大学院先進理工学研究科 生命医科学専攻 生命分子工学研究室(竹山研究室)http://www.takeyama-lab.sci.waseda.ac.jp/

コラム:国連海洋科学の10年に関する研究会

研究会で立ち上げているウェブページ (https://oceanpolicy.jp/decade/
本サイトとしてリニューアルしました https://oceandecade.jp)

国連海洋科学の10年では、海洋研究者のみで実施するものではなく、様々な関係者とともに、協働による設計(co-design)・推進(co-production)・活用(co-delivery)を行っていくことが目指されています。そこで、日本海洋政策学会と笹川平和財団海洋政策研究所は、協働や連携の基盤となる「国連海洋科学の10年に関する研究会」を2020年8月に立ち上げました。 研究会での議論を受けて、2021年2月には「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年日本国内委員会」を設置し、キックオフとなる公開シンポジウムを開催しました。海洋立国および科学技術立国を標榜する日本が、国連海洋科学の10年の推進において、リーダーシップを示せるよう取り組んで参ります。