閉鎖生海域での沿岸域管理

期間:1970年~

機関:環境省、国土交通省

参考:環境省「地域が主体となる閉鎖性海域の環境改善の手引き」

( https://www.env.go.jp/water/%E5%85%A8%E4%BD%93%E7%89%88.pdf )

 日本の沿岸には、東京湾や伊勢湾のような、陸域に囲まれ湾口部が狭い閉鎖性海域が多く存在します。閉鎖性海域では内湾と外海との海水交換が滞りやすく、河川等を通じて陸域から流入する生活排水や産業排水などに含まれる有機汚濁物質や栄養塩類が蓄積しやすいという特徴があります。昭和 50 年前後の高度成長期には、人口の増加と産業の発展に伴い、閉鎖性海域において赤潮の発生件数が増加し、大規模な漁業被害が発生しました。さらに、大量に発生した植物プランクトンの死骸などの有機物が海底に沈降して微生物によって分解される際に、底層付近の酸素が大量に消費されて、溶存酸素量(DO)が低下し、大規模な貧酸素水塊や青潮(苦潮)が発生して、水生生物の斃死を引き起こすことも問題となっています。このような閉鎖性海域における沿岸域管理の取組としては、公共用水域の水質の常時監視(環境省)、東京湾、大阪湾、伊勢湾及び広島湾に関する各湾で作成された再生行動計画に基づく環境モニタリングの実施(国土交通省、環境省)、横浜港における生物生息場や藻場の形成などを図る生物共生型護岸の整備(国土交通省)、海洋環境整備船による海面の漂流ごみ等の回収や海域環境の保全と改善を図るための汚泥等の浚渫(国土交通省)等があります。

東京都港湾局「平成30年度芝浦運河汚泥しゅんせつ及び覆砂工事」
https://www.kouwan.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/hp_18d18_shibaura.pdf