海洋環境の衛星観測と観測データの
公開(1)

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)

期間:2017年12月打上げ~運用中

機関:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

参考:「しきさいポータル」(宇宙航空研究開発機構 衛星利用運用センター)
( https://shikisai.jaxa.jp/ )

 「しきさい」に搭載された多波長光学放射計は、250mの空間解像度と19の観測波長によって、クロロフィルa 濃度、懸濁物質濃度、有色溶存有機物、海面水温、光合成有効放射や流れ藻等を観測できます。得られた観測データは一般に無償公開され、気候変動による植物プランクトン分布や富栄養化、高水温域分布等の変動監視、数値モデルとの比較や同化を通じた海洋環境予測の高精度化などに貢献します。

「しきさい」搭載の多波長光学放射計SGLIがとらえた2021年10 月9 日の北海道東北沖の250m 解像度のクロロフィルa濃度分布
この時期にこの海域で広域の赤潮が報告されており*、図中でクロロフィルa濃度が特に高く示された海域(濃い赤色の領域)が赤潮の分布と対応していると推測される。

* 参考: ( 北海道沿岸の赤潮に関する情報について/地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 水産研究本部 サイト )

「しきさい」搭載の多波長光学放射計SGLI の近赤外等から推定された8月~11月の海面を漂流する軽石の移動の様子(https://earth.jaxa.jp/karuishi/)。8 月中旬に図中の赤三角で示す福徳岡ノ場海底火山の周辺(a)で確認され、40 日後には北西方向(b)に移動し、さらに約22 日後に沖縄周辺(c)に移動している様子が確認された。その後、周辺海域との反射率の違いが次第に小さくなり黒潮周辺(d)で確認された以降は識別できなくなった。