予測できる海

南・東アジアの縁辺海における持続可能なイニシアチブに向けた研究開発(SIMSEA)

期間:2014年~
機関:国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所

国際科学会議のアジア太平洋地域委員会が2014年から開始した学際研究プログラム「南・東アジアの縁辺海における持続可能なイニシアチブに向けた研究開発(SIMSEA)」を日本国内で推進するため、2014年から現在まで高知県宿毛湾を対象に、地元関係者と協力して海況予測システムの開発や漁獲量の変動に関する事例研究を行っています。宿毛湾の海況予測情報は、毎時間1日先までJAMSTECのホームページを通して提供されており、漁業の効率化だけでなく、貨物船の座礁調査などにも利用され、地元関係者から高い支持を得ています。

宿毛湾の海況予測システム (分解能200m)
貨物船の座礁調査 (宿毛市立田昌敬氏提供)
出典:「宿毛湾の海を活かしたまちづくりレポート2、3」(JAMSTECアプリケーションラボ、http://www.jamstec.go.jp/aplinfo/kowatch/?p=2306http://www.jamstec.go.jp/aplinfo/kowatch/?p=4548

九州沿岸の海況予測と漁業支援

期間:2017年~
機関:九州大学応用力学研究所、長崎大学、福岡県、佐賀県、長崎県、JFEアドバンテック株式会社、いであ株式会社、一般社団法人漁業情報サービスセンター、古野電気株式会社

日本の小型漁船沿岸漁業は、漁業資源の減少、燃料高騰、後継者不足等の問題を抱えています。沿岸漁業が陥っている閉塞的な状況を好転するため、水産庁委託事業「ICTを利用した漁業技術開発事業」では産官学民が連携し、ICTを利用した沿岸漁業のスマート化に取り組んでいます。
これまで沿岸域は観測の空白地帯となっていましたが、漁業者による観測データを同化することにより高解像度化した海況予報モデルを開発しました。漁業者は、海況の予測結果をスマートフォン等のアプリで受信し、漁場決定や出漁判断に役立てることができます。漁場を「見える」化することで、燃油や労働時間の削減といった漁業の効率化にも貢献します

数値モデルで予報された九州北部の対馬海峡の流れ
開発中の予測結果表示アプリ
水温・塩分・潮流の確認ができる。
出典:「DREAMS_D海況予報」 (九州大学応用力学研究所、https://dreams-d.riam.kyushu-u.ac.jp/vwp/)